6月18日(火)
6月12日付け毎日新聞に掲載された田中均氏のインタビューでの発言を、安倍総理がフェイスブックで厳しく批判しました。わが党の細野幹事長が最高権力者の発言としていかがなものかと諫めると、安倍総理はフェイスブックで更に反論し、細野幹事長や民主党を批判しています。
田中氏は安倍総理が官房副長官だったときの外務省アジア局長。そういう人に「外交を語る資格はない」と言うのだから、穏やかではありません。
私は、日英21世紀委員会の活動などを通じ、田中均氏とお会いしたことがあります。2002年の小泉総理の電撃訪朝を実現した立役者で、日朝平壌宣言をまとめ上げた人物です。平壌宣言は、日本が北朝鮮と国交正常化する際には日韓と同じ方式によることを確認したもので、民主党政権を含め、歴代政権が踏襲してきた重要文書です。また、この日朝首脳会談の場で、金正日国防委員長は拉致の事実を初めて認め、謝罪しました。その後、拉致被害者5名の方々の帰国が実現したのは、周知のところです。
いかに優れた外交官も完全ではありません。あの時、彼が、拉致被害者の方々を北朝鮮に帰すべきだと主張したのが事実なら、私も首を傾げざるを得ませんが、このような極めて難しい場面において、ギリギリの判断を下すことができるのは、結局は政治家、最終的には最高責任者である総理大臣であり、事務方の官僚ではないと思うのです。現在、安倍総理は国民の生命と主権に関わる厳しい判断を迫られる立場にあり、そのことを十分理解されているはずです。
自分と異なる判断を上げてきた官僚を、自分のことを批判的に論じる人を、ことごとく田中氏のように罵倒するのでしょうか。野田前総理は誰に何を言われようとも、決して個人攻撃はしませんでした。そういうところ、安倍総理は子どもっぽいと思います。