ソウルから帰国

8月23日(金)

ソウルから帰国しました。今回の訪問では、ユン・ビョンセ外交部長官との会談、カン・チャンヒ国会議長訪問、セヌリ党、民主党の国会議員との面談、シンクタンク関係者、大学教授との意見交換など、政治家だけでなく日韓関係や東アジア外交の専門家にもお会いし、非常に有意義な訪問となりました。

いわゆる知日派と言われる方でさえどなたも、昨今の歴史認識や領土問題をめぐる日韓の対立、双方の国民感情の悪化を懸念しており、日本の政治家の言動、とりわけ安倍政権の重要閣僚の言動に失望していました。韓国において日本の新聞記事、ニュースが流れない日は1日もないそうです。海外ニュースの4割ちかくは日本の記事であり、日本の政治動向、政治家の発言が常に注視されていることに驚きます。最近では、安倍総理の終戦の日の戦没者追悼式における発言が過去とは異なる発言であったことについて、強い反発と批判が出たそうです。ネット上での日本叩きや中傷誹謗も激しく、日本から輸出される食品は放射能に汚染されているとのデマが広がっています。メディアによる冷静な分析や報道が不足していることも問題です。

中国が北東アジアでどんどん台頭するなか、すでに韓国と中国の経済的な結びつきは深く、日本と米国の貿易額を足しても、中国との貿易額になお及ばないほど韓国経済において中国の影響が膨張しています。このまま日本との関係が改善しないなら、政治的にも中国と組んでも良いではないか…という感覚が韓国社会に浸透しはじめていることに大きな危惧をもちます。

これは両国にとってプラスではありません。さらに言えば、北東アジア全体の平和と繁栄に資する考え方ではないと思います。折しも、ソウルで開催されていた日韓フォーラムの開会式で、日本側のスピーカーとして福田康夫元首相が講演に立たれ、誇りやプライドは大事だが、いつも満たされるとは限らない。相手の気持ちになって理解しようとすることが重要だと話されたそうです。とても良いお話で共感しました。両国ともに、政治のリーダーがナショナリズムを煽るような言動を慎み、歴史認識や領土問題など見解の違いはあっても、同じ民主主義国家として共通する課題の解決のため協力していくべきです。

現在、日韓の首脳が互いにそっぽを向いたまま会談さえできません。残念ながら、この先も日韓関係が改善、前進する見通しはありません。このことはお互いにとって不幸なことであり、日本と韓国の同盟国である米国政府も強い危機感をもっています。日韓の関係は、二カ国だけでなく北東アジア全体の平和と繁栄に響きます。この閉塞感と停滞を打ち破るための知恵と冷静かつ大局的な政治判断が求められているのです。

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ホテルの窓から見える風景

ホテルの窓から見える風景

国会議事堂にて

国会議事堂にて

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外交部長官室にて

外交部長官室にて

事務局を務めてくれた井山秘書と

事務局を務めてくれた井山秘書と