1月17日(日)
民進党の蔡英文氏がダブルスコアで国民党の朱立倫氏を制し、初の女性総統になることが決まりました。民進党は立法院(国会)でも圧勝したので、蔡総統は安定した政権基盤を獲得したと言えるでしょう。
2000年の国民党から民進党への政権交代、2008年の民進党から国民党への政権交代に続き、3度目の政権交代。台湾における民進党・国民党の2大政党を中心とする民主制度は完全に定着しました。私は、日本の重要な隣人である台湾における民主主義の成熟を心から賞賛したいと思います。
思えば8年前の2008年、民進党は総統選挙でも立法院選挙でも国民党に惨敗しました。誰もが民進党は終わったと思ったときに、党の立て直しを担ったのが蔡英文氏でした。2012年の総統選では初の女性総統候補として出馬し、現職・馬英九総統に惜敗しましたが、私はこの頃から、台湾の友人が支援しているということもあり、蔡氏に注目してきました。ずっとエリート・コースを歩んできた女性が、ある部分においては日本以上に「オヤジ政治」である台湾政界において、どうやって指導力を発揮していくのか、とても関心がありました。
蔡英文氏は、民進党の主席にはなったものの、台湾特有の儒教的女性蔑視や年少者蔑視もあって、長らく党内分裂に苦しんできました。彼女がそれを克服し、政権奪還を可能にしたのは、若者の気持ちをつかんで、それを政治のうねりに変えていく感性ではないでしょうか。
2014年3月、「ひまわり学連」の学生達が立法院を占拠しましたが、学生達の危機感は台湾が中国に飲み込まれるのではないかということにありました。このとき、民進党が若者の運動と連携し「台湾アイデンティティ」を争点の中心に据えたことが、今回の圧勝に繋がったのだと思います。
若者の気持ちをつかんで、それを政治のうねりに変えていく感性。我が党にも求められている資質です。