三條新聞(2025.11.25)掲載インタビュー記事抜粋

三條新聞(2025.11.25)掲載インタビュー記事抜粋

(菊田事務所で加筆・修正あり)

Q高市政権、女性総理の誕生について、受け止めは。

(菊田)同じ女性として日本の政治の歴史を変えた、新しいステージ、新しいページを開いたという意味においては、私は政治信条とか政治哲学とか思想は相いれないが、彼女の頑張りようは素直に認めたいし、拍手を送りたいと思っている。しかし、まだ何もやっていない。ここから先、本当に国民の皆さんの暮らしを守り、そして、外交を安定させ、本当に平和な豊かな経済社会、不安のない老後を送れるような社会になっていくのかどうか、きちんと見ていかないといけないと思っている。

Q高市首相の外交デビュー、日米首脳会談をどう受け止めたか。

(菊田)トランプ大統領と良好な関係を築けたことは、日本にとっても決して悪いことではない。国と国との信頼関係は外交の土台になる。緊張が続く国際情勢のなかで、同盟関係を安定させる意味は大きいと思う。一方で、防衛費のさらなる増額や、八十兆円規模とも言われる対米投資の内容が、はっきりしていない。アメリカとの関係は大切とはいえ、必要以上の「おべっか外交」であってはならない。日本としての意思、国益にとって何が最も重要なのか、そこがぶれない外交であってほしい。

Q日本維新の会、自民党が連立を組む条件の一つとして定数削減が打ち出された。受け止めは。

(菊田)維新は「身を切る改革」を言っていて、企業団体献金の禁止は、私たちと同じように非常に厳しくおっしゃっていた。政治とカネの問題に決着をつけるんだと言っていたのに、それがいきなり定数削減に変わった。連立を組むために、企業団体献金の禁止を自民党は絶対にのまないだろうから、ハードルを低くして、連立政権入りしたのだろう。

Q定数削減そのものについての見解は。

(菊田)もともと私たちは民主党政権の時に、当時の野田首相と安倍総裁が党首討論で定数削減やりますということで解散総選挙をやった経緯もある。しかし、それ以来、ずっとほごにされて、全く自民党が振り向きもしなかったわけだから、定数削減は必要だと思っている。ただ、それが自民党とか、維新に有利な、自分たちに痛みは伴わないような削減は、今の少数野党からすればのめない、納得できないというのは当たり前の話。また、人口が減る地方ばかり削減されるのも納得できない。ちゃんと各党、各派の代表、要するに国会の場で大局的に議論すべきだと思うし、この臨時国会でやってしまうというのはあまりに乱暴だと思う。

Q「政治とカネ」の問題にどう対応していくか。

(菊田)裏金や不透明な資金の流れを断ち切り、決着をつけることを求める民意は参院選で明確に示された。政治への信頼回復こそ、政策議論を進める前提。高市首相は、透明性やルール順守の一般論を述べるにとどまり、受け皿の限定や禁止に後ろ向きだ。裏金と不透明な資金の温床を断つ政治資金改革こそ、今国会で決断すべき課題だと思う。

Q存立危機事態に関する首相発言で中国との関係が悪化している。受け止めは。

(菊田)歴代の首相は国会での答弁に極めて慎重に対応してきたが、高市首相はかなり踏み込んで、勇ましく言い過ぎたと思う。それは木原官房長官も認めているし、高市首相自身もちょっと言いすぎたなと思っているのでは。一人で答弁の準備をされるようで、朝3時から出勤しておられたようだが、一人よがりにならないで、歴代の首相がどういう国会答弁をしてきたのかとか、ちょっとここまで踏み込んで発言すると、中国から反発が来ますよとか、やはり官僚の知恵や経験に耳を傾けながら、丁寧に慎重に国会答弁をしてほしい。高市さん個人で言っている時はいいだろうが、もはや今、世界中から注目される女性首相だから、総理大臣としての発言は極めて重い。

Q米価は高止まりしたままだ。農家、消費者、両面から考えないといけない問題にどう対応すべきか。

(菊田)米価の急騰という異常事態に対して、立憲民主党は、生産者へのセーフティーネット確保と、消費者の適正価格確保の両立を求めた。自民党の農政の失敗と米価高騰、米不足の原因分析が曖昧なまま場当たり的な対応を続ければ、混乱は拡大する一方だ。私も地元の若手農家の皆さんと意見交換を行い、生産者と消費者の間のギャップを改めて実感した。このギャップを政策で埋め、コメの安定生産と家計の安心を両立させるため、戸別所得補償制度の再構築が不可欠だ。

Q柏崎刈羽原発再稼働問題について。ここにきて、再稼働に向けて動き出した。知事の判断をどう受け止めるか。

(菊田)花角知事は最初の選挙時に、「県民に信を問う」とおっしゃった。普通の感覚からすれば、県民に信を問うというのはイコール選挙だと思う。住民投票あるいは県知事選挙というのが普通の感覚。ついこの間、福島第一原発事故の現場を視察した直後に、いきなり再稼働容認というのは、やはり最初から言葉だけだったんだな、口約束だけだったのだと思った。信を問うどころか、県議会で判断してもらうという茶番にがっかりしている。選挙時の公約を守ってほしい。新聞社のアンケートによると、県議のなかには再稼働について賛成とも反対とも「判断できない」の回答者がかなりいた。そういう自分の考えをきちんと表明できない県議に、信を問うのは本当に県民をばかにした話ではないか。東京電力は原発を動かすだけの信頼に足りるのか。雪が積もる冬に事故が起こった場合、果たして避難できるのか。多くの県民が再稼働に不安を感じているなか、県議会での多数決で地元の同意とすることに断固反対だ。

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