12月29日(金)
内政をめぐって喧々諤々の議論を戦わせようとも、外交は基本的には超党派で取り組むべきです。こうした考え方は、成熟した民主主義国家であれば常識に属することでしょう。
慰安婦問題に関する2015年の日韓合意。安倍総理と朴槿恵大統領との間でも確認されたこの合意は、安倍政権が河野談話とほぼ同じ認識を表明した上で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を謳った画期的な合意です。ところが、文在寅大統領は28日、合意に「手続き上も内容上も重大な欠陥があったと確認された」と指摘し、「この合意では慰安婦問題は解決されないと再び明らかにする」と表明しました。二国間の合意に悖るこのような表明は、日本として到底受け入れられないのは勿論のこと、韓国自身の国際的信用も大きく損なうことなるでしょう。韓国には成熟した民主主義国家として振る舞って欲しいと思います。
さらに、国際社会からの圧力にもかかわらず、北朝鮮は核実験とミサイル発射を繰り返しています。北朝鮮の行動を変えるためには、緊密な日韓協力関係が必要不可欠です。韓国が慰安婦問題に関する合意を反故にして日韓関係が悪化すれば、得をするのは北朝鮮なのだということを肝に銘じて欲しいと思います。