11月27日(火)
入管法改正案が衆院本会議で与党などの賛成多数で可決されました。
今国会唯一の重要広範議案にもかかわらず、法務委員会での審議時間はわずか17時間。最後はお決まりの強行採決で、与党は審議を打ち切りました。
少子高齢化、人口減少が進む中、産業界の人手不足は深刻であり、私たちも外国人労働者の受け入れ拡大に反対していません。おおいに議論し、より良い制度を作りたいと思っていました。しかし、低賃金で長時間の強制労働を強いられ、年間7千人を超えて失踪する技能実習生がいるように、現行の受け入れ制度の問題点を放置したまま、新たな制度を連結させることは無責任であり、将来に禍根を残すことになります。
さらには法案の中身も問題です。受け入れる外国人の人数や上限、受け入れ業種や分野、永住権、医療や年金、日本語教育をはじめとする生活支援などはどうするのか。外国人を受け入れる自治体の負担はどう解消されるのか。本来、国会で議論し、決めるべき多くの重要なことが政府から何も示されることもなく、法案が成立した後に法務省内で決めることにしているのです。
来年4月施行という安倍総理の意向を受け、急ごしらえで作った中身空っぽの法案を、安倍総理が外国を訪問するから早く採決しろとはあまりに身勝手、国会軽視も甚だしい。またもや安倍総理を忖度して、国家や社会のかたちを大きく変える重要な法律を拙速な審議で通してしまった政府与党の罪は重いと思います。