10月3日(土)
田上町豪農の館「椿寿荘」にて行われた琵琶楽演奏会に行ってきました。闇夜に包まれる日本庭園では、もの悲しい鈴虫の鳴き声が響きます。
琵琶の愛好者は全国でも3百人余りとか。本日の演奏会には、全国組織「一水会」新潟支部の皆さんがおいで下さいました。新潟県民にとっては、身近な存在の良寛様を題材にした楽曲や戊辰戦争で倒れた河合継之助が残した言葉、米百俵でお馴染みの長岡藩主小林虎三郎が詠んだ漢詩などが琵琶の演奏に合わせて吟じられました。
また、NHK大河ドラマ花燃ゆでもお馴染みの吉田松陰が処刑される際に遺した漢詩なども吟じられ、最後は琵琶の演奏に合わせて迫真の剣舞も披露されました。
ペルシャが起源とされる琵琶が日本に伝えられたのが7~8世紀、主に僧侶が普及、伝承したと聞いています。「花はさくら、人は武士、散るべきときに散らざれば……」「我が父母に別れを告げんと膝まずき……」演目の最後に披露された百虎隊の題材はぐっと胸に迫ります。飯森山から会津城が焼ける黒煙を見て、もはやこれまでと自害した少年百虎隊の心情が切々と吟われました。
日本の琵琶演奏を聴くのは、初めてのことでしたが、日本語の美しさ、奥深さと琵琶の音色が相まって独特の世界が形成されていました。先人から伝承されてきた素晴らしい音楽、文化を大切にしたいものです。