2月27日(土)
太平洋の向こう側、アメリカでも毎日激しい舌戦が続いています。3月1日は予備選・党員集会が集中する「スーパーチューズデー」。最初のヤマ場がやってきます。イスラム教徒の入国禁止など暴言を続けるトランプ氏がどこまで支持を伸ばすのか。非常に気になるところですが、私が注目しているのは民主党のサンダース上院議員の動向です。「民主社会主義」を掲げる大統領候補がここまで躍進するとは、これまた誰も予想しなかったことでしょう。
「民主社会主義」とは、階級闘争を否定し、議会制民主主義の中で社会主義の理想を実現するという考え方です。いわゆるソ連型の社会主義とは全く別の思想で、欧州では一般に受け入れられていると言って良いと思います。しかし、機会平等とアメリカン・ドリームを至上価値とするアメリカの政治風土において「民主社会主義」は傍流どころか、鬼子扱いでした。それをサンダース氏は正面から主張し、若者を中心としてアメリカ国民から喝采を浴びているのです。アメリカ社会が急速に変わっているのを感じます。
サンダース氏が政治について「一握りの裕福な選挙資金提供者のものでなく、すべての人々に属するものだ」と強調し、一部富裕層との癒着を糾弾し、貧富の格差是正を訴えるのを見るにつけ「安倍一強」の日本の政治にも当てはまるように思えてなりません。華やかなメディア戦略が注目されがちなアメリカ大統領選ですが、実は候補者本人が全米を回って、小さな対話集会をどれだけ積み重ねるかが勝負なのだそうです。大統領候補と自分を比べるなどおこがましいことですが、私も負けずに、地道に頑張りたいと思います。