3月31日(木)
2013年7月、安倍総理は日本記者クラブにおいて、2002年の小泉総理訪朝の準備を担当した当時の田中アジア局長を名指しし、北朝鮮との2回の交渉記録を残していないことを強く非難した上で、「外交官として間違っている。外交官の基本を踏み外した人だ」と断じました。私も、外務政務官をやっていたから分かりますが、外交交渉というのは克明に記録を残すものなので、もし本当だとしたらひどい話だと思ったものです。(もっとも田中氏は、記録をとらずに北朝鮮と交渉することはあり得ないと否定しているようですが。)
ひるがえってTPP交渉。我々民進党が甘利前大臣と米国フロマン通商代表との交渉記録を提出するよう求めたのに対し、政府は「交渉記録は作成していない」と回答しました。甘利・フロマン会談って、一番重要な閣僚級協議ですよね!?百歩譲って、交渉記録をそのまま開示できないケースがあることは理解しますが、作成していないって一体どういうこと??あり得ないでしょう!!
昨年10月TPP交渉が大筋合意したとき、安倍総理は「国家百年の計」と胸を張りました。そんな歴史的大交渉の、しかも最重要の交渉記録が残っていないのだとしたら、それこそ大問題です。当の甘利大臣は体調不良を理由に、未だに国会を休み続けています。収賄疑惑だけでなく、この問題に関しても説明責任を果たすべきなのに。
安倍総理は、田中局長を罵倒したように、甘利前大臣も罵倒するおつもりですか?そもそも後任の石原大臣は、交渉記録も読まずにどうやって国会で説明するつもりなのでしょうか?問題が多すぎます。来週からいよいよTPPの特別委員会の審議が予定されています。甘利前大臣、国会に出てきて下さい。自らきちんと説明責任を果たすべきです。