引き返す勇気。

4月23日(土)

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アベノミクスが始まってから3年以上が経過しました。
なるほど国内企業の儲けである内部留保は約340兆円まで積み上がりましたが、それが投資に回り実質賃金が上昇し、個人消費が喚起されるという目論見は、残念ながら完全に外れてしまいました。
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相対的貧困や格差の拡大についてはこのブログでも指摘して来ましたが、金融の世界においても、日銀の量的緩和頼みでやってきた歪みと矛盾が一気に吹き出しそうな様相です。
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この3年間、日銀は大量の国債を購入することで市場にマネーを供給してきましたが、市中銀行から高い価格で引き受けてきたため8兆円を超える損失が生じています。
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償却するには一年で約1兆円が必要となりますが、日銀は国債を満期まで保有するのが原則で、政府から補助金を受けることもできません。
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したがって、このまま量的緩和を継続し、財務状況が更に悪化すれば、日銀への信認が揺らぎかねない。
一国の中央銀行がマーケットから信頼を失ったとき、一体何が起こるのか。想像するだけで恐ろしいことです。

こうした財務状況ゆえに、今後の日銀の主要政策はマイナス金利の拡大になるとの見方が有力で、伊勢志摩サミット前に新たな発表があるのではないかとの観測がしきりに流れています。
しかし、意地になってマイナス幅を拡大しても、積極的にお金を借りて投資する企業が増えない以上、銀行の収益が悪化するだけです。
日本の家計資産の半分以上を現金・預金が占めていますが、背に腹を代えられなくなった銀行が個人預金の金利をマイナスにするようなことがあれば、家計と消費への影響も計り知れないものがあるでしょう。
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旅客機のパイロットは、まず「引き返す勇気を持て」と教えられると聞いたことがあります。
離陸の後少しでも機体に異常を感じたら、乗客の生命と安全を最優先に考えて直ちに帰投せよ。
それは決して恥ずかしいことではない、という教えだそうです。
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アベノミクス、果たしてこのまま突っ込んで国民生活は大丈夫なのでしょうか。
「引き返す勇気」を!!
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