3月8日(火)
オリンピックの灯火が遠くギリシアから継走を重ねてメインスタジアムに到着し、最終走者が聖火台に灯す情景は、誰もが慣れ親しんだ感動の瞬間でしょう。それなのに、新国立競技場の建設計画から聖火台の設置場所が抜け落ちていて、それに今まで誰も気づかず、挙げ句の果てにオリンピック組織委員会の森会長が責任転嫁の放言を続けているのですから、もう言葉がありません。こんなことで2020年の東京オリンピック・パラリンピックは本当に大丈夫なのでしょうか?
新国立競技場の総工費が2520億円に膨らみ、国民の怒りを買った最大の理由は、日本スポーツ振興センター(JSC)、文科省、オリンピック組織委員会など関係者の集団無責任体制でした。計画を白紙撤回し、1550億円に経費を縮減して、ようやく道筋がついたと思ったらこの騒動。
聖火台の設置場所について「要望を聞いていない」などというJSCのコメントを見るにつけ、過去の失態を全く反省していないのだと呆れてしまいます。明日は、文部科学委員会が開かれる予定ですが、厳しく質していかねばなりません。
政府は聖火台の設置場所を決める検討チームを立ち上げるそうですが、新国立競技場の総工費がまた膨らまないように厳しく監視していく必要があります。私自身、委員会の質疑で、遠藤オリンピック担当大臣に何度も確認しましたが、総工費1550億円が公共工事標準請負契約約款に従い修正されることはあり得る。しかし、それは①賃金水準または物価水準全般の変動、②特定の資材価格の上昇、③特別な事情によるインフレまたはデフレの場合に限られるというのが政府の答弁でした。まさか、お粗末なミスによって国民負担が増えるようなことはないと思いますが、どうなることやら。