身内に甘い総理大臣

6月1日(木)

岸田総理がご自身の長男である岸田翔太郎氏を政務担当の首相秘書官から更迭しました。

首相公邸で親族10人以上と忘年会を開催し、公的な場所で写真撮影を行ったことから、「公的立場にある政務秘書官として不適切であり、けじめをつけさせるため、交代させることとした」と岸田総理は説明しました。

私たちは週刊誌で報道された25日から更迭すべきと主張しましたが、総理は厳重注意にとどめ、世論からの批判が大きくなって翔太郎氏をかばいきれなくなったのでしょう。身内に甘すぎ、判断遅すぎです。

そもそも昨年10月の翔太郎氏の首相秘書官就任時から、「身内びいき」だと批判がありましたが、首相は適材適所の判断だと主張してきました。

さらに、今年1月の首相の欧州・北米外遊に翔太郎氏が同行した際に大使館の公用車を使って観光地巡りや買い物をしていたとの報道に対し、広報の写真撮影目的と政府は説明しましたが、写真が使用されていないことを政府も認めています。

政権の支持率に影響が出ていると考えられることもあり、岸田首相は泣く泣く身内びいきを断念しましたが、29日に更迭を公表したにもかかわらず、交代は6月1日付となりました。

6月に支給される首相秘書官としてのボーナス(期末・勤勉手当)が満額支給されるよう6月1日付の交代にしたのではないかと、インターネット・SNSなどで批判が続出したために、本人は退職金・ボーナスは受け取らない意向であると慌てて打ち消しました。

ただし、手続き上支給は止められないため、どうやって返納するのか、本当に返納できるのかといった疑義は残ったままです。

首相秘書官の交代が実行されていない5月31日に、「軍事偵察衛星の打ち上げ」と称して事実上の弾道ミサイル発射を北朝鮮が行いました。

失敗に終わったものの繰り返される国際法違反の暴挙を決して許してはいけませんが、首相を最も身近で支えるべき首相秘書官にこの時点で翔太郎氏が就任したままであったことは、危機管理の観点からも大問題です。

身内の利益でなく、国民のいのちと安全を最優先すべきです。

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