不正・犯罪の是正・防止につながる通報制度を

8月3日(木)

中古車販売大手ビッグモーターによる保険金不正請求問題が大きな広がりを見せています。

不正請求の問題は少し前から指摘されていましたが、売上高7000億円、従業員数6000人、全国300店舗とされる大企業がゴルフボールを入れた靴下で車両を故意に損傷させるといった極めて悪質な不正行為を繰り返していたことには耳を疑いました。

さらに各店舗前の街路樹を除草剤の散布によって故意に枯れさせたことも認めているようです。

国土交通省がビッグモーターに道路運送車両法違反等について立ち入り検査を行い、金融庁はビッグモーターと損害保険会社7社に保険業法に基づく報告徴求命令を出すなど、行政も対応に動いています。

消費者庁も社内の内部公益通報対応体制の整備や運用について事実関係の確認をはじめたようですが、2004年に創設された「公益通報者保護制度」では、従業員が300人を超える企業に通報窓口の設置を求め、担当者に漏えいを禁じる守秘義務を課すこととしています。

しかし従業員6000人のビッグモーターの調査委員会の報告書によると、「通報が行われた場合の調査主体や調査方法に関する規定も整備されていない」と公益通報者保護制度が全く整備されていない状況でした。

消費者庁の監督権限や人員の面から限界があるとも言われていますが、少なくともビッグモーターのような大企業に対しては内部通報制度を機能させる仕組みを考えなくてはいけません。

また、立憲民主党のヒアリングに出席した、元ジャニーズJr.の中村一也さんが、子どもや若者の性被害防止に向けて政府が取りまとめた「緊急対策パッケージ」に対して、「子ども自身に声を上げろっていう今回の対策案に関しては、とても実情が分かってもらえてないなっていう歯がゆさを感じます」と発言し、第三者による通報義務を課す、私たちがまとめた児童虐待防止法改正案の実現を訴えました。

残念ながら企業による不正や児童に対する性犯罪を根絶させることは難しいため、不正の早期改善や性犯罪の早期発見・防止につながる通報制度の整備は重要な政策課題です。

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