政治家の説明責任とは国民の疑念を晴らすこと

マイナンバーのひも付けに関する総点検の中間報告が公表され、誤登録が新たに1,069件見つかりました。

これまでもマイナンバー制度に関連するミス・トラブルが続出し、11月までに完了するとしている総点検でどれだけ発覚するのか分からないにもかかわらず、来秋の現行保険証の原則廃止について撤回も延期も決定していません。

一方で「マイナ保険証」を持たない全ての人に交付する「資格確認書」の有効期限について当初1年としていたものを5年以内と延長しました。

現行の保険証と形状も機能もほとんど変わらないとされる資格確認書を該当者に一律に交付するのであれば、手間と税金を投入して保険証の廃止にこだわるのか、全く理解できません。

政府は「本人の受診履歴に基づく質の高い医療を実現する」ことをマイナ保険証のメリットとして説明していますが、診療・薬剤情報がマイナ保険証に反映されるのは1~2か月のタイムラグがあります。

マイナ保険証で確認できる不完全な受診履歴だけで診療されてしまうおそれがあることは、マイナ保険証のメリットどころかデメリットであるとすらいえます。

岸田総理や河野デジタル担当相はマイナンバー制度に関連して記者会見を繰り返していますが、国民の疑念を全く晴らすことができていません。

また、自民党の秋本真利衆議院議員が日本風力開発から約3000万円の資金提供を受けたとされ、東京地検特捜部が秋本氏の事務所などを家宅捜索し、秋本氏は外務政務官を辞任し、自民党を離党しました。

まだ捜査中の事案ですが、何らかの責任を感じて、外務政務官という政府の役職を辞任し、所属する政党の自民党を離党したのであれば、国民・有権者の代表である衆議院議員を辞職しない理由が全く分かりません。

秋本氏本人はもちろんのこと、行政府の長として外務政務官辞任を認め、自民党の総裁として離党を認めつつ、自民党比例代表選出の衆議院議員であり続けることを許す岸田首相にも重い説明責任があります。

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