9月1日(金)
文部科学省の中央教育審議会の「質の高い教師の確保特別部会」が「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策」を取りまとめました。
「教師を取り巻く環境は、我が国の未来を左右しかねない危機的状況にあると言っても過言ではない」として、
1.学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進
2.学校における働き方改革の実効性の向上等
3.持続可能な勤務環境整備等の支援の充実
の3つの柱で、できることを直ちに行うという考え方のもと、緊急的に取り組むべき施策を取りまとめたものとのことです。
日本の教育が危機的状況にあることは私も認識を同じくするところですが、残念ながら掲げられた施策には以前にも見たことのある、既視感を抱くようなものが多く見受けられました。
例えば取り組みの具体策として、「学校・教師が担う業務に係る3分類」を徹底するための取組をあげていますが、給食費を含む学校徴収金の徴収・管理が教員の大きな負担となっていることは、だいぶ前から多くの先生方より私も実際にお話を伺ってきました。
長年の課題にもかかわらず、8月31日に文部科学省が公表した調査において、学校が学校給食費を管理している自治体が、いまだに全体の6割を超えることが明らかになりました。
文部科学省は全国の教育委員会に対して自治体が徴収して管理するよう要請し、応じない自治体名を文部科学省のホームページで公表するようですが、多くの自治体が「システム化の経済的・人的負担が大きい」ことを理由に挙げる状況で、このような要請・公表によって対応を一変するとは考えにくいものがあります。
私たちが提出している、「学校給食無償化法案」が成立すれば解決する問題なのですが、学校給食無償化について政府が結論を出すのはまだまだ先となっています。
給食だけでなく、他の教育政策でも、政府・与党の対応策は本当に危機的状況を認識しているのか疑わしいほど進みが鈍く、歯がゆいものばかりです。
とはいえ、今回の提言の中にある、勤務間インターバル制度や教職員定数の改善、支援スタッフの配置充実、処遇改善は私たちが提案してきたものと方向性としては一致しているものであり、来年度予算に向けた予算確保については、しっかりと応援しつつ、待ったなしの教職員の処遇改善に向けて更なる取り組みを促していきます。