4月1日(木)
今国会に政府から提出されている法案に多数の誤りがあったことがわかりました。
政府の報告では、政府全体として今国会に提出した61法案11条約のうち、約4割の23法案1条約において134か所に誤りがあったとのことです。
どれも単純な確認作業を怠ったとした考えられない初歩的なミスばかりです。
国民の権利・義務を定め、生活に多大な影響を与える法案や議論の前提となる参考資料にこれほどにも誤りが存在する状態で政府が国会に提出してきたことは、異常事態に他ありません。
与党には、事前審査といって閣議決定の前に提出法案を議論するプロセスがありますが、野党に対しては閣議決定後に説明があることが慣例であり、野党は、開かれた国会の場において政府に法案の内容を質すことが基本となります。
(注)与党は事前審査を行っていることもあり、国会での質問時間は野党より大幅に短くなっています。
そこで議論するべき法案や議論の前提である参考資料が誤りだらけの状態では、政府の説明と法案の実際の内容が異なっている可能性まであります。
この状態では到底法案を審議することはできないため、提出法案の精査が終了するまでは審議に応じることはできませんでした。
いわば政府の失態で国会に無用の審議の遅れが生じてしまったのです。
さらに、厚生労働省の職員23人が深夜まで送別会を開催していたことも明らかになりました。
感染症対策の担当省庁である厚生労働省の職員が、外出自粛や営業時間の短縮を要請し、国民に長期に渡り我慢を強いている中で、このような行動をとったことは言語道断と言わざるを得ません。
公務員への更なる信頼低下のみならず、与党議員の夜のクラブ訪問と同様に政府の感染症対策の要請に対する国民の反発・無視にもつながってしまいます。
他にも、総務省における接待問題や法務省幹部による掛けマージャン問題等々、国家公務員に関する不祥事が相次いでいます。
内閣人事局及び首相官邸近辺が強力な人事権を握ってしまっているために、公務員が人事権者にばかり目を向けてしまっているのではないでしょうか。
そのために、足元の単純だけど大事な作業をおろそかにしてしまっているばかりか、本来、公益のために試験に合格し、能力が高いはずの、国家公務員の行動規範・モラルにも問題が生じているのではないのでしょうか。
多くの国家公務員の方々が骨身を惜しんで日夜業務に励んでいてくださっていることは間違いありません。私たち国会議員としても委員会審議や国会関連業務で過度な負担が生じないように配慮する必要もあります。
しかし、国民にとってより良い政治を行うためにも立法府と行政府が緊張感を持ちつつ、互いに連携していくことが求められます。
人事権の行使のあり方を含め、国家公務員、行政府がきちんと機能しているのか、しっかりとチェックしていきたいと思います。