5月19日(木)
安倍政権が「一億総活躍プラン」と「骨太の方針」をまとめました。新味のない政策をこれでもかと詰め込んで、財源については、来年4月に消費税を10%に引き上げることを前提とした上で、「アベノミクスの成果」を活用するとしています。これってブラックユーモアでしょう!?アベノミクスが失敗して景気が長期低迷しているのだから、安定的な税収増が見込めるわけがない。商品券のバラまきもいいけれど、そもそもこんな経済状態で消費増税すれば、どんな家計支援策を並べても画餅に帰すのは火を見るより明らかです。
GDPの約6割を占める個人消費が冷え込んでいるのは、国民の皆様が明日の生活に不安を感じているからです。消費喚起のための財政出動は必要ですが、その内容は、日本が直面する社会保障上の課題に正面から取り組むものでなくてはならない。だから民進党は大風呂敷を広げるのではなく、保育士の給与増、長時間労働規制、同一労働同一賃金、介護職員の給与増については独自の法案を、給付型奨学金については予算の修正動議を提出したのです。いずれも与党の反対や審議拒否に遭って、葬られてしまいましたが。
そもそも安倍政権は女性に活躍して欲しいと真剣に思っているのでしょうか? 政府は、①男女平均給与を見ると女性の方が低い、②保育士の約95%は女性である、③したがって保育士給与の引き上げ目標は女性平均給与とする、という立場で、質問主意書の答弁書として閣議決定までしています。もし同じことをアメリカで言ったら大問題になるでしょう。保育士は女性の仕事という偏見を助長し、男性保育士の士気も損なうのではないでしょうか。ことほどさように、安倍政権は看板立ては上手いのですが、中身は現場の実態とはかけ離れており、働く人たち一人一人に対する思いやりが欠如していると思います。