5月31日(火)
31日、野党4党が共同で衆議院に内閣不信任決議案を提出しました。残念ながら圧倒的多数を占める与党の力で否決されてしまいましたが、私はこの国は政治危機に直面しているとの思いを強くしました。国民に対して正直でなく、自分の都合のいいように権力を使う。唯々諾々と従うだけで安倍一強を許す自民党。我々野党がもっと強くならないと、とり返しのつかない禍根を残すような気がしてなりません。
安倍総理は、消費税率の引き上げを2019年10月まで再延期することを決めました。安倍総理の党総裁任期は18年9月です。消費増税を次の総理に「丸投げ」したことになります。我々民進党が提案した19年4月までの延期ならば、総裁任期の終了前に経済情勢を踏まえてもう一度判断を迫られる可能性がありましたが、それも放棄したのです。率直に申し上げて、2014年11月、必ず消費税を上げる、そのための経済状況を必ず作り出すと断言して衆議院を解散した人の対応とは思えません。あまりに無責任です。
政府は2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する、少なくとも新規の赤字国債を発行しなくとも済むようにするという目標を掲げています。非常に重要な財政健全化目標です。民進党が消費増税の延期を19年4月までとした最大の理由は、この政府目標を達成するためです。更に半年遅らせ、かつ全食品に軽減税率を適用したのでは、税収に巨大な穴が空きます。税収に穴が空くということは、子育て支援や障がい者への給付、低所得の年金生活者への支援、介護といった社会保障が疎かになるということです。財源はどう手当てするのか、この点についても、きちんと説明していただきたいと思います。
もともと、税と社会保障一体改革法には「景気弾力条項」がありました。経済というものは「生き物」なので、消費増税のスケジュールを決めるにせよ、その時々の経済状況を勘案できるようにしようということで盛り込まれた条項でした。それを2017年4月に必ず増税するから不要だと主張して削除したのは、他ならぬ安倍総理でした。総理大臣の言葉があまりに軽く、次の増税だってどうなるもんやら、誰も信用しなくなります。
それにしても、麻生財務大臣が安倍総理に反旗を翻すかと思いきや、最初から出来レースであり、臭い芝居でしたね。酷い話です。