イギリスが揺れている。

6月14日(火)

来週23日、英国において欧州連合(EU)から離脱するか否かを決する国民投票が行われます。各種世論調査では残留派と離脱派が拮抗しているため、マーケットが離脱のリスクを織り込み始めたようで、世界的な同時株安が進行し、東京株式市場も続落しています。ユーロを採用していないとはいえ、英国は独仏とともにEUを支えてきた政治的中軸国ですから、もし本当に離脱すればEUは回復し難い打撃を受けるでしょう。欧州に止まらない世界的な影響が深刻に懸念されます。日本にとっても決して対岸の火事ではありません。

梅雨は紫陽花の季節。国会の紫陽花も見ごろです。

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2016.6.14④

最大の焦点は、東欧などから英国に流入する移民の問題です。キャメロン首相は、移民流入を拒否するための離脱は「狂気の沙汰だ」と批判していますが、与党保守党も離脱派と残留派で真二つに割れているのです。自分の党も纏められないのに、果たして国民を説得できるでしょうか。保守党は2010年の総選挙で移民を10万人未満に減らすと公約し、労働党から政権を奪還しました。しかし、その後EUとの交渉では移民抑制の導入を果たすことができず、2015年の移民推計数は33万3000人に膨れあがりました。キャメロン首相は今でも10万人を目指すと述べていますが、実現できると思っているイギリス人は少ないでしょう。

今日は上京し、財務局長として溜まっていた決裁の仕事をしました。登院している議員もわずかで、国会は閑散としています。

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キャメロン首相は2015年の総選挙において、英国のEU残留の是非を問う国民投票の実施を公約し、イギリス独立党(UKIP)支持層を取り込み、過半数を制しました。EU離脱が「狂気の沙汰」だと分かっているのならば、なぜ正面からそれを訴えて選挙を戦わなかったのか。国の重要な決定は「女王陛下の議会」で行うというのが英国の伝統であったはずです。目先の政治的利益に囚われて中途半端なことをするから、こんなことになってしまうのです。ともあれ23日の国民投票においては、英国民が良識を発揮し、EU残留で決まりますように!

閉会中は、本会議場も見学仕様です。

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