原発政策の大転換。規制と推進の癒着。

2月16日(木)

原子力発電所の運転期間を原則40年、最長60年とするいわゆる「40年ルール」を改め、60年を超える運転を可能とする新制度を盛り込んだ原子炉等規制法の改正案を原子力規制委員会が了承しました。

石渡明原子力規制委員は、「科学的、技術的な新知見に基づくものではない。安全側への改変とは言えない。」と述べ、採決で反対し、意見が割れたまま、重要案件を多数決で決定するという異例の事態となりました。

賛成した杉山智之委員も、「締め切りを守らなければいけないように、せかされて議論してきた。われわれは独立した機関であり、じっくり議論するべきだった。」と発言しました。

「40年ルール」は東京電力福島第一原発事故を教訓として、何より安全性を最重視するために、導入されたものです。

その極めて重要な政策転換を、十分な議論の時間もなく、委員の合意・納得も得られないまま強行した採決は、手続きに重大な瑕疵があることからも、断じて認められません。

規制委員会の議論に先立って、原子力規制庁の職員が推進側の経済産業省資源エネルギー庁の担当者と面談を7回も繰り返していたことも明らかになりました。

原子力規制委員会・原子力規制庁は、福島の事故以前において規制と推進を一つの省庁が担っていたことを反省して新設されたものです。

それが今となっては、活動原則に掲げられた「独立した意思決定」を行うことなく、推進側の決めたルール・締め切りに唯々諾々と従うだけの組織になり果ててしまっています。

岸田総理は、「エネルギー需給の逼迫への対応といった利用政策だ」と明言しました。

この、福島の事故の反省を忘れ、安全よりも利用を優先する岸田政権の原発政策における暴走を断固として阻止しなくてはいけません。

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