社会の変化に対応できない岸田政権

2月9日(木)

性的マイノリティについて、「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」などと発言した荒井勝喜前首相秘書官が更迭されました。

全くもって人権意識に欠けた言語道断の発言であり、首相秘書官の職に不適格であることは間違いありません。

この発言は、岸田総理の、同性婚の法制化は「すべての国民の家族観、価値観、社会が変わってしまう課題だ」と答弁した意図を確認する記者団との取材で飛び出したものです。

首相秘書官を更迭したことで荒井氏の発言が政権の方針と一致しないと強調していますが、総理の答弁自体がLGBTへの差別解消・理解増進に非常に後ろ向きであることを明確に表しています。

今年5月のG7サミットは日本が議長国となり岸田総理の地元広島で開催されます。

性的少数者について法的整備を行っていないのは、G7の中で日本だけであり、超党派の議員連盟が作成した「LGBT理解増進法案」は、自民党内の反対派の頑強な抵抗により2021年に国会提出が見送られたまま棚ざらしになっています。選択的夫婦別姓制度についても同様です。

今回、差別発言で世間から批判を受けて、自民党内でも「LGBT理解増進法案」成立に向けた動きが出ているようですが、批判逃れ・イメージ払拭のために利用しようとする思惑が透けて見えてなりません。

「LGBT理解増進法案」は、性的指向・性自認を理由とする差別を許さないとする理念法であり、最初の第一歩、ほんの入り口でしかありません。

国民の家族観、価値観、社会が時代の流れに沿って、移り変わっていくことは至極当然のことであり、その移り変わりに対応して、多様性を認め合う包摂的な社会の実現を目指すことこそが政治の仕事です。

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