8月15日(木)
終戦の日。私は沖縄の波照間島にきています。さとうきび畑が続く、牛やヤギが草を噛むのどかな風景。ここは日本最南端の地です。 68年前、この島の人々はどのようにして終戦を迎えたのだろうか。青い空、美しい海を、どんな気持ちで見つめていただろう。
波照間島の日本最南端記念碑は、終戦50周年を記念して建立された平和の碑です。私はそこを訪れ手を合わせて、恒久平和を祈りました。
終戦の日になると必ず騒がれるのが、国会議員の靖国神社参拝です。沖縄でもそのニュースが流れています。 英霊に祈りを捧げる気持ちは尊いものですが、政治的思惑が見え隠れするのはいただけません。
軍国主義者の反対を押し切って終戦を決断したのは、昭和天皇でした。日本は、天皇陛下の御聖断と国民を思う御心によって、軍国主義から平和主義の国へと生まれ変わったのです。その天皇陛下は、A級戦犯の合祀が明らかになって以降、靖国神社への参拝を止めました。以来、今上天皇が靖国神社を参拝したことはありません。
私は、中国や韓国との関係で外交問題になるからという理由だけで、靖国参拝の問題を論ずることが適当だとは思いません。問われているのは、私たち日本人が平和を想う心なのです。
なぜ天皇陛下はA級戦犯合祀の後、靖国神社参拝を止めたのでしょうか。国家指導者が現在の靖国神社を参拝することは、戦後日本の平和主義と矛盾しないのでしょうか。こうした議論に封をしたまま「みんなで靖国に参拝しよう!」と唱えるだけでは、国会議員として余りにも浅薄だと思います。
沖縄の人々が、どのような気持ちで終戦の日を迎え、どのような気持ちで、本土を見ていたか。わずかな滞在では知る由もありませんが、それでも沖縄、日本最南端の地に立つと永田町では感じたことのない繊細な感慨をもっている自分に気付きます。
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