6月25日(土)~26日(日)
国民投票の結果、僅差でイギリスのEU離脱が決まりました。
私はEU残留が英国と世界の利益に適うと確信しておりましたので、本当に残念です。
以前、このブログでも書きましたが、キャメロン首相は保守党の分裂を回避するために国民投票を公約し、昨年の総選挙に勝利しました。
しかし、その結果は、イギリス人同士が激しく罵り合うという国民の分断でした。
EU残留を希望した北部スコットランドでは、独立運動が再燃しています。
政治家は重大な決断をするために国民から選ばれているのに、その責任を放棄し、目先の利益を優先したキャメロン首相の罪は実に重い。
かつて野田総理は、日本の将来と子ども達の未来を真剣に考え、党を割ってでも、税と社会保障一体改革法を成立させました。
対照的な態度でした。
国民投票の結果を受けて、世界同時株安が進行し、日経平均は下げ幅が1000円を超える大暴落となり、1ドル99円まで円高が進行しました。
ロンドン・シティは世界的な金融センターですが、早くも2年後のEU脱退を睨んで、金融機関がパリやフランクフルトに本社機能を移転する動きが始まっています。
イギリス経済は大打撃を受け、ポンド、そしてユーロも続落して行くでしょう。
G7財務相・中央銀行総裁会合は緊急声明を発出し流動性支援を打ち出しましたが、ポンドとユーロを買い支えるために放出されるのは米ドルですから、ドル安の煽りを受けて円高が進行するでしょう。
円安誘導で株高を演出してきたアベノミクスの宴が終わったと言われる所以であり、大企業の業績改善を優先してきた経済政策の転換が必要です。
緊急に対処すべきは、GPIF(年金積立管理運用機構)による資金運用基準の見直しです。
安倍政権は株式の運用割合を50%にまで引き上げましたが、これから株価が上がることは残念ながらありません。
更なる暴落を予測する専門家も少なくありません。
このままでは私達の大切な年金に穴が空いてしまいます。
既に膨大な損失が出ているはずですが、安倍政権はGPIFの運用実績の公表を参議院選挙後に延期しました。
こういう姑息なことでは国民の皆様は一層不安を感じ、個人消費は更に冷え込むことでしょう。
安倍総理、たとえ選挙中でも目先の利益を優先するのは止めて下さい。
重大な決断をきちんと行って貰いたいと思います。