10月13日(火)~17日(土)
民主党の有志議員で中国訪問の機会を得ました。26年前に訪問して以来の大連は、人口700万人、1800社もの日系企業が進出し、その技術と投資と共に経済発展してきた歴史があり、中国のなかでも親日の雰囲気が色濃い都市です。
1995年に設立された大連YKKジッパー社を視察させて頂きました。人件費の高騰や離職率の高い中国において、従業員が定着し、長く勤めてもらうことは容易でありませんが、この難しい点においてもYKKさんは様々な工夫と努力で成果を上げておられました。
大連市には、ほかにも日本電産、キャノン、松下、オムロンなど多数の企業が早い時期から進出を果たしているそうです。企業だけでなく、旅行者や留学生も多く、また地方自治体事務所も多数あり、新潟県の事務所も開設されています。
日露戦争の激戦地、旅順の203高地にも大連市内から車で1時間半かけて足を運びました。ここで多くの犠牲者が出たことを想像し胸がつまりました。
北京では、全人代幹部で元外相の唐家璇先生と面談する機会を得ました。かつて周恩来元首相は、日中関係は2千年において友好であって、50年において不幸であったと語りました。世界の経済大国2位の国と3位の国、引っ越しのできない隣国同士、日本と中国は、お互いに大局的、長期的視野で関係を発展させていく努力をしていかねばなりません。
アジアインフラ銀行の金立群総裁とも面談する機会を得ました。「世銀やアジア開発銀行と連携しながら、アジアのインフラ需要に応えていく」流暢な英語で自信満々に語る姿が印象に残りました。日本は米国と協調してAIIBには参加していませんが、果たして正しい判断か?今後注視していく必要があります。
今回、あらためて中国は大国になったと痛感しました。27年前に初めて見た中国とはまるっきり違う国のように思えました。今、世界中がこの大国の動きを気にして外交戦略を練っています。中国には大国としてのふるまいが求められます。国際秩序や法の順守、人権や民主化を大事にするふるまい。そして、日本は、過去の戦争に対する謙虚な反省、歴史観を大切にし、アジアの平和と発展に貢献しなければなりません。強行採決された安保法制に関して、「日本は再び軍国化するのではないか?」との懸念が度々示されましたが、戦後70年の平和外交の歩みを無駄にするようなふるまいを決してしてはなりません。
中国は、日本に15年遅れて経験する問題もまた多く抱えています。大気汚染、環境問題、人口減少、労働力の減少、少子高齢化、高度医療、食品の安全。いろんな分野で協力できそうことがたくさんあります。衝突ではなく、協調することで、共存共栄していけたら良いと思います。