8月4日(日)
今夏の話題作、「終戦のエンペラー」を観ました。重いテーマを扱っていますが、主人公フェラーズ准将と日本人女性アヤの悲恋を織り交ぜながら、世代を超えて楽しめる作品になっているのは、さすがハリウッド。ロケ地はニュージーランドだそうで、焦土と化した東京がリアルに再現されています。
マッカーサー司令官は、日本統治と復興のため天皇陛下をどう処遇するか頭を悩ませていました。そして、副官のフェラーズ准将に天皇陛下がこの戦争において果たした役割について調査を命じます。与えられた時間は僅か10日間。行き詰まる捜査の過程で、天皇陛下が軍国主義者の反対を押し切って、終戦を決断した事実が浮かび上がります。そして、玉音放送を阻止するため、陸軍がクーデターを起こしたことも。
やはり圧巻は、名優トミー・リー・ジョーンズ演ずるマッカーサー司令官と、片岡孝太郎演ずる昭和天皇の会談でしょう。この歴史的な会談において陛下は、「戦争の全責任は私にある。私は死刑も覚悟しており、私の命はすべて司令部に委ねる。どうか国民が生活に困らぬよう連合国にお願いしたい。」と語ったと言われています。当時の状況を思うとき、天皇陛下の国民を思う気持ちと無私の心に打たれます。
日本は、天皇陛下の勇気ある御決断と国民を思う御心によって、軍国主義から平和主義の国へと生まれ変わったのです。こうした歴史を知っていたならば、軽々しく「戦後レジームからの脱却」とか、いわんや「ナチスの手口を学んではどうか」などとは言えないはずです。撤回すれば済むのですから、政治家の言葉も軽くなったものです。まもなく8月15日の終戦の日を迎えます。もう一度歴史を学んで欲しいと思います。