1月8日(水)
安倍政権は順風満帆に見えますが、株価の動きに一喜一憂している現状はそもそも健全と言えるのでしょうか。中でも、安倍政権の最大のウィークポイントは外交ではないかと危惧しています。外交は超党派で進めるべきものなので、あまり批判めいたことは言いたくありませんが、総理就任後1年以上経つというのに中国の国家主席、韓国の大統領と首脳会談を一度も行なっていないというのはやはり異常です。米国政府も、様々な機会を通じて、日本が孤立しないよういさめているようです。
今日は金正恩第一書記の誕生日と言われていますが、もし北朝鮮が暴発したときに正面に立つのは韓国、抑えに回るのは中国です。日中、日韓関係のマネジメントは日本の国益にとって死活的に重要なはず。安倍総理には何としても重要な隣国との外交を立て直して貰いたいと思います。一体、どのような戦略をお持ちなのか、来る通常国会において、厳しく問わねばなりません。
中国では、経済格差によって国民のなかにマグマのような不満が鬱積していると聞きます。当然、中国当局はピリピリして、厳しく暴動、デモ等を取り締まっているのでしょう。反日運動は容易に反体制運動に転化するから、これまでも反日デモが起こっても、当局は1~2週間でピタリと止めてきました。今この瞬間も様々な手段で抑えているのではないかと推測します。ですが、果たしてこれがいつまで持つのか。安倍総理の靖国神社参拝を受けて、中国が何も対抗措置をとらないとは考えにくいから余計に気がかりです。
4月の消費税増税によって、日本の景気は一時的に減速するが、夏までには回復軌道に戻るだろうと、経団連加盟の経営者や多くのエコノミストは強気に言っています。私もそう信じたいですが、仮に、その時期にチャイナ・リスクが顕在化すると日本経済にとっては大きな打撃になるのではないでしょうか。内政と外交は一体であり、耳障りの良い話ばかりでは危ういです。あらゆるリスクに備えて、きちんと安倍総理、安倍政権に物言える国会、政党、政治家が求められています。