北方四島交流事業~波乱の4日目&最終日

7月27日(日)~28日(月)

再度、択捉島に上陸する予定でしたが、波高し。無理して上陸した場合の安全を担保できないとの判断により、再上陸は中止されました。日本人墓地への参拝ができなくなってしまい、せめてもの思いで、全員がデッキに集まり、択捉島の方向を向いてお読経、合掌し、日本酒を海に流してご先祖を慰霊させて頂きました。

悪天候のため択捉島への再上陸は断念せざるを得ず、船のデッキにて、お読経し先祖供養をしました

悪天候のため択捉島への再上陸は断念せざるを得ず、船のデッキにて、お読経し先祖供養をしました

 

 

 

 

 

 

船上から日本酒をたむけ慰霊致しました

船上から日本酒をたむけ慰霊致しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日一日、そして明日のお昼に根室に着くまでの間、三十時間以上船中に缶詰めされることに。携帯電話やメールなど一切の通信は途絶し、日本でどんなことが起こっているかもわからぬまま、ただひたすら食べて寝るの繰り返し。太ったな。陸地が恋しいな。揺れないで眠りたいな。家族に会いたいな。

元島民(択捉島出身)の三上洋一さんの講和を聴きました。

元島民(択捉島出身)の三上洋一さんの講和を聴きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、初めて国後島、択捉島を訪問して、あらためて「百聞は一見に如かず」と思いました。いまだかつて一度も外国の領土になったことがない日本固有の領土なのに、ロシア人、ロシアの物資、ロシアの通貨、ロシアの言葉・・・。69年もの長きにわたって、日本人が暮らした面影、思い出はかき消され、ロシアによって不法に占拠され続けている不条理、理不尽に、正直、腹が立ちました。元島民の方々は、高齢化し平均年齢は76歳を超えています。日本の風景とは全く異なる、こんなにもロシア化されているというのに、それでも「ふるさと」という言葉を、何度も繰り返される島民の方々に、私は心の底から思いを寄せることができました。そして、一日も早く四島を取り返したいとの思いを強くしました。

解団式でご挨拶させて頂きました。

解団式でご挨拶させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、二つの島共に、人が住んでいる、開発されている地域はごく一部に止まっていて、島のほとんどが熊の世界、つまり原野のままになっていました。それでも、ロシア政府は、「実効支配」の事実を積み重ねるために、この島に暮らせば、様々の恩恵を受けられるアピールしてロシア本土から島への移民を進めるための優遇政策を実行してきました。15年間これらの島で暮らせば、給料は本土平均の1.5倍~2倍の給付。年金は5年前倒しで給付。2年間ロシア国内の旅行旅費がタダになる。なので、子どもが成長して大学に入る頃になると、一家で島を出てロシア本土に戻る住民が多いようです。「本当はモスクワに住みたいの」と話す住民もいました。これだけの優遇政策をうたないと定住人口の減少を止められない、ロシア政府による実効支配が弱まってしまうという危機感でしょう。

4日振りの帰港。本当にホッとしました。根室市役所、議会の皆さんが出迎えて下さいました。

4日振りの帰港。本当にホッとしました。根室市役所、議会の皆さんが出迎えて下さいました。

 

 

 

 

 

 

 

全ての日程を終了し、根室の千島会館にて記者会見

全ての日程を終了し、根室の千島会館にて記者会見

 

 

 

 

 

 

 

 

また、オホーツクと太平洋の影響を受け、世界の至宝とも言われる漁場では、カラフトマスやサケ、カニやエビ、なまこ、昆布が年間を通して豊富に採れるため、貴重な水産加工の拠点として領海とその権利を手放したくないのだと推測します。ロシアはすべてトップダウンで物事が決まると言われます。独善的なプーチン大統領は、昨今のウクライナ情勢に関して各国の動きを牽制しつつ、G7のメンバー国である日本は、どちらを向くのか鋭く見ていることでしょう。

無事に帰ってきたお祝いに釧路駅近くの市場で、旬の「花咲ガニ」を遠山議員、林議員と一緒に頬張りました。

無事に帰ってきたお祝いに釧路駅近くの市場で、旬の「花咲ガニ」を遠山議員、林議員と一緒に頬張りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

北方領土問題は、実際には大変に厳しい困難をいくつも抱えています。多くの試練を乗り越え、挑戦し続ける者しか成果は得られない。ひどく悲観的にならず、しかし楽観もせず。世界情勢は、刻一刻と変化し、大きく動き、チャンスは必ず到来します。日露関係の今後の進展に期待を寄せると共に、国政に身を置く者として私も精一杯支援していきたいと思います。

 

 

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