8月5日(木)
4日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で急増し、14都府県で過去最多を更新し、新潟県でも過去最多78人の新規感染者が確認され、特別警報が発令されることとなりました。感染の急拡大に終わりが見えない中、政府は病床逼迫に対応するためとして重症者以外は原則自宅療養とする新方針を突然打ち出しました。
感染者の中には症状が急変するケースも多いと聞きます。国民の命を守るために医療を必要とする人に必要な医療を提供するという政府の責務を事実上放棄するといえる極めて問題の大きい方針変更です。
この方針転換について、医師会、地方自治体が全く聞かされていなかっただけでなく、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長まで、「この件については相談や議論をしたことはない」ことが明らかになりました。
菅総理はこれまで「専門家の意見を尊重して」と繰り返してきましたが、言葉だけで耳を傾けてもいなかったことが、一層浮き彫りになりました。
また、病床の逼迫を方針変更の理由としていますが、都内の感染者の入院者数の病床数に対する割合は50%あまりと半分程度空いている上、宿泊療養の利用率は3割程度に過ぎません。病院のベッドや宿泊施設に余裕はあるものの、対応するスタッフが不足している状況です。
現場で日々奮闘している医療従事者の方々には心から頭が下がる思いであり、スタッフの確保が難しいことは重々承知していますが、国内で感染者が初めて確認されてから1年半以上が経過する中で、緊急時における人員確保策を十分手当てしてこなかったことは政府の怠慢と指摘せざるを得ません。
私たち立憲民主党は4日、新型コロナウイルス感染症患者の入院原則の堅持等を求める緊急要請を田村厚生労働大臣に行いました。自由民主党、公明党からも方針の撤回を求める声が上がっています。
方針を撤回し、今度こそ「専門家の意見を尊重して」、医師会や自治体とも十分連携して方針を再検討することを求めます。