3月22日(火)
21日、防衛大学校の卒業式で安倍総理が誇らしげに訓示する一方、47名が自衛隊への任官を拒否し、卒業式に参加しませんでした。昨年の25名からほぼ倍増、卒業生419名の1割以上の人が任官拒否するのは異例だそうです。税金で勉強したのに任官拒否するのはけしからんという意見もあるでしょうが、背景にはなにがあるのでしょうか。
任官拒否した一人が安保法制について「自衛隊の任務拡大は賛成だけど、その前に憲法改正して自衛隊の位置付けを明確にすべきだ。順番が違う」と心情を吐露している記事を読みました。我々国会は、当事者の率直な気持ちを受け止めていかねばなりません。
自衛隊の方々は、命令一つで戦地に赴くことになります。命がけで任務を遂行する自衛官はもちろん、絶えず安否を気遣うであろう御家族の気持ちを思うとき、自衛隊の活動は超党派で支持され、広く国民から歓迎されるものではなくてはならないと思うのです
2004年、日本有事の際に国民を守るための有事法制関連7法案が国会審議にかかったとき、当時の小泉政権は野党第一党である民主党と修正協議を重ね、野党の賛成も得て法案を成立させました。私はまだ駆け出しの衆議院議員でしたが、安保というのはそれだけ重いのだと感じたものです。今の安倍政権の対応とは随分違いますね。
安倍政権は、日本国憲法の根幹をなす平和主義に関わる憲法解釈を一方的に変更し、これまで違憲としてきた集団的自衛権の行使を認める安保法制を、数の力で強行採決しました。この暴挙に対しては今でも多くの国民が反対の声を上げ続けています。安保法制は一度廃止し、野党が提出した法案をベースにもう一度超党派で議論すべきです。そうでないと、一番辛い思いをするのは実際に戦地に赴くことになるかもしれない自衛隊員でありその御家族です。
任官拒否47名。とても重い意味をもつのではないでしょうか。