10月20日(木)
旧統一教会への対応について、岸田首相がふらふら迷走を続けています。
まず、10月17日(月)の衆議院予算委員会が開かれる直前に、岸田首相は永岡文部大臣に対して、旧統一教会に対する宗教法人法に基づく質問権の行使検討を指示しました。
旧統一教会の問題が改めてクローズアップされるようになってから、私たちは旧統一教会に対する解散命令請求と質問権の行使を求め続けましたが、政府は極めて慎重な姿勢を貫いてきました。
政権の支持率低下に直面したことが背景にあるとはいえ、私たちの主張を受け入れ、誤りを正して方針転換したことは、一定評価することができます。
しかし、18日の衆議院予算委員会において、解散命令請求が認められる法令違反の要件とされている、「刑法等の実定法規の定める禁止規範または命令違反」に「民法の不法行為は入らない解釈だ」と岸田首相は断言しました。
旧統一教会による組織的な不法行為が認定されたことはこれまで2件ありますが、刑法上の違反行為を認定されたことはありません。
この岸田首相の答弁では、これから刑法上の違反行為を認定する判決が出ない限り、旧統一教会に解散命令を出すことはできないことになります。
発言の後に開催された立憲民主党の会議でも文化庁に対して答弁を変更するべきではないかという意見が相次ぎました。
すると、19日の参議院予算委員会では、「民法の不法行為も入り得る」と岸田首相は答弁を一夜にしてあっさりと一転させました。
これも自らの誤りを正しい方向に修正したことは、誤りを正さないことよりは評価できますが、ここまでふらふらと方針を二転三転している姿を見ると、果たして岸田首相が真剣に取り組んでいるのか疑わしく思えてなりません。
これから旧統一教会に対して調査を行うこととなりますが、担当する文化庁宗務課は8名の人員しかいない上に、相手の同意が得られなければ施設の立ち入りも行えず、必要な調査を行うことができるか不透明です。
解散命令請求にいたらなければ、旧統一教会の活動に「問題なしのお墨付き」を与えることにつながりかねません。
政府の調査が不十分なものに終わらないようこれから監視していきますが、立法府としてもできる限り力を尽くさなくてはいけません。
立憲民主党と日本維新の会、社会民主党の3党で悪質献金被害救済法案を提出し、立憲民主党・自民党・日本維新の会・公明党の4党で「与野党協議会」を設置することを合意しました。
被害防止・被害者救済に向け、国会として早急な結論を目指します。