11月30日(木)
令和5年度補正予算が成立しました。
今回の補正予算約13兆円は、物価高対策と言いながら、物価高のために組まれた予算は約2兆7,000億円だけ。公共事業等の予算には4兆3,000億円積み増しされていました。
さらに、来年度の概算要求から横滑りした予算や、とても年度内の執行を想定しているとは思えない総額4.3兆円規模の基金の造成・積み増しなど、財政法で補正予算編成の要件である「緊要性」を欠くものが散見され、国民生活を無視した水膨れのバラマキ予算となっています。
予算委員会における岸田総理の答弁は、議論のすり替えや抽象的で曖昧な答弁が目立ち、この補正予算は到底賛成できるものではありませんでした。
しかし、野党を自称しているはずの日本維新の会と国民民主党は、補正予算に賛成しました。
日本維新の会は、代表が補正予算を「50点」と採点しているにもかかわらず、大阪・関西万博の追加負担分が補正予算に計上されていることから賛成しました。
国民民主党は、ガソリン税を引き下げる「トリガー条項」の発動の検討を岸田首相が指示したことを理由に賛成しました。
適正な規模・予算で開催されるのであれば私も万博の成功を願っていますし、トリガー条項の発動は私たちも強く求めているところです。
しかし、万博の成功やトリガー条項の発動だけが政治の目的ではありません。補正予算に賛成することは、問題だらけの補正予算に自ら「お墨付き」を与えることにほかならず、行政をきちんと監視し、政府・与党の暴走にストップをかける野党の責任を放棄して政局に走ってしまったことは残念でなりません。
もちろん私たちは反対ばかりしているわけではありません。補正予算と同日に採決された、地方交付税を増額することとする補正交付税法には賛成しました。
この臨時国会も12月13日の閉会まで残りわずかとなりましたが、旧統一教会の被害者救済法案など、与野党で協議が必要な課題もまだ残っています。与党にすり寄る野党が増える中で、私たちは責任ある野党第1党として、最後まで真正面から政府・与党としっかり対峙していきます。