10月8日(木)
国民不在、国会無視です!安倍政権は、TPP交渉参加前からトラック関税について米国に譲歩し、情報を一切開示しないまま交渉を進め、ようやく大筋合意したと思ったら、今度は野党の批判を避けるため臨時国会を開かないのではないかと報じられています。
安倍総理は6日の記者会見でTPPは「国家100年の計」だと胸を張りましたが、それなら一日も早く臨時国会を開催し、説明責任を尽くすべきです。それから、選挙ではTPP反対を唱えていた一部自民党議員の方々にも、説明責任を果たして頂きたいと思います。
私は、貿易立国として日本が生き抜いていくためにTPP交渉に参加し、国益に沿ったルール作りを主導すべきだと考えてきました。民主党としても、野田政権下でその方針を明確にしたところです。
しかし、現段階で判明している限り、今回の合意内容はとても国益に適っているとは思えません。特に、安倍政権は減反を廃止し、主食用米から飼料用米への転作を誘導していますが、そんな中で、米国と豪州からの輸入米について特別優先枠を設定すれば、我が新潟県をはじめ多くの米作農家にとって大打撃を受ける可能性があります。輸入米を全て政府備蓄米として買い上げるという報道もありますが、そのためにいったいどれ程の税金が投入されるのでしょう。余りにも場当たり的です。
もう一つの懸念は、自民党のお家芸であるバラマキがまた始まるのではないかということです。かつて自民党政権は、ガット・ウルグアイラウンド交渉が妥結したとき、国内対策と称して6兆円もの巨費を投じました。その約半分が農業土木でした。しかし、最初から総額ありきの対策で、どれほど日本の農業を強化できるのか、きちんとした評価・分析がないまま実施されたため、結果としてばらまくだけばらまいて終わり、日本の農業を強くすることには全く役立ちませんでした。
安倍総理は、全閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を設置するとしていますが、同じ過ちの繰り返しを許してはなりません。国会において、きちんと説明責任を果たし、懸念をもっている農家に対して納得いく説明をして欲しいと思います。